
30代の男性、柔道整復師であり鍼灸師、スポーツトレーナーであり、指導者。
なんとも勉強熱心な人です。
さて、そんな彼の施術をするのは初めてだと気付いたのは、体を触った時。
彼 「右の臀部が違和感あって、腰の調子が悪いです。」
私 「そうですか、何もできませんよ(笑)ここは癒しサロンですから」
彼 「笑」
専門的な勉強や経験をしている彼に、私ができることはいつも通りの施術。
近業種だからといって、何かスペシャルなことがあるわけではありません。
その日の夜、彼から連絡がありました。
彼 「だいぶ症状が楽になってます、本当にヤバイと思っていたから助かりました!」「なんという治療法なんですか?」
私 「治療法はありません。ただ気になるところをあれこれやってみて、良くなればいいなぁと思いながらやりましたけど」
彼 「何か治療をしてくれているのだと思っていました(笑)」「そして、なんなら教えてもらおうかと思っていたのですが」
同じく「他人の体に触る」という仕事をする中で、彼ら柔道整復師として働くには結果が求められます。その結果というのは「主訴が改善するのか、しないのか、治療計画を立てる必要があります」治療家としての当然のことです。だから体の仕組みを学び、最新の機械の力も時には借りて結果を出します。
一方私たちは「他人の体を触る」中で求められる結果は「スッキリしたかどうか」という曖昧なものです。体なのか、気持ちなのか、お客様次第です。そういった意味では柔道整復師のクライアント(患者さん)よりも多様な人が来て、期待されることがらもマチマチ。だからこそ、私たちはなるべく合わせることができるように、自身に色んなチャンネルを用意しておく必要があります。
今回知り合いの彼が「右臀部」との結果を求めてきましたが、私としては「気持ちよくなってもらって、最終的に主訴が改善方向に行けばよいな」という感じでしていました。
リラクゼーションとしての基本は「気持ち良くなってもらって・・・」です。
ここはどんな方が来てもベースです。
彼の右臀部が改善傾向になったのは「体を任せることを許した」からではないかと今回分析しています。彼ならばその意味がわかると思います。